アメリカのサンディエゴ美術館の多くの絵画が展示されています。
日本にはめったに来ない画家の作品がたくさん展示され、とても観ごたえがありました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子とも言われ、ダ・ヴィンチの影響が顕著にみられます。
この作品はなんとなく、モナ・リザを感じます。
回心して穏やかな気持ちになったのでしょう。
≪悔悛するマグダラのマリア≫
ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ
時代が下って、プロカッチーニの作品で、悔悛となると、印象が全然違います。
目に涙をいっぱい溜めた切実な表情になっています。
マグダラのマリアのアトリビュートも↑の香油でなく、髑髏の方を描いています。
≪父なる神と天使≫
ジョット・ディ・ボンドーネ
ルネサンスの先駆け、スクロヴェーニ礼拝堂の壁画を手掛けたジョットの作品が日本で観られるとは!
≪キリストの捕縛≫
ヒエロニムス・ボス(工房)
邪悪な顔の捕縛者の中にその1人の耳を切り落としたペテロ(右下のナイフを振り上げた赤い衣の男)の怒りの形相が漫画的でボスらしい。
≪聖母子と聖人たち≫
フラ・アンジェリコ
修道士で、多くの宗教画を描き、『受胎告知の画家』とも言われています。
小さいスペースを上下にバランス良く仕切り、工夫された色彩の対比でとても美しい作品に仕上げています。
さて、聖人は誰かとなると、解説している人がいない為、敢えて解説(たぶん正しい)
上は左から聖母マリア、イエス、イエスの弟子で黙示録を書いた使徒聖ヨハネ(イエスが私の側から離れないように言ったし、年若いからでもあり、 ダヴィンチの≪最後の晩餐≫でもイエスの隣は聖ヨハネ)。
下の真ん中は聖母子
右下上は聖ペテロ(鍵を持つ聖人はペテロだけ)
右下手前は聖パウロ(本と剣の両方とその風貌から)
左下上はイエスに洗礼を与えた洗礼者ヨハネ(棒状の細長い十字架を持ち、駱駝の衣ではないけれど、比較的質素な衣服から )
左下手前だけ確信がありませんので控えます。
≪聖ペテロの涙≫エル・グレコ
鍵がわかりやすい、聖ペテロの絵です。
この展示会場には、聖ニコラウスが2点展示されています。
聖ニコラウスはサンタクロースのモデルになった聖人です。
ジョヴァンニ・ボンシ
≪バーリの聖ニコラウス≫
聖ニコラウスのアトリビュート
3つの金の玉(貧しい娘たちに与え身売りから救った事から、のちにサンタクロースと結びつけられた)が描かれています。
≪聖ニコラウスと聖カタリナ、聖ルキア、聖マルゲリータ、聖アポローニア≫
フランチェスコ・ボッティチーニ
こちらは国立西洋美術館蔵ですが、聖ニコラウスの対比で展示されています。
こちらにも金の玉が描かれています。
聖カタリナは横に車輪を、聖ルキアは両眼、聖マルゲリータは十字架と足元のドラゴン、聖アポローニアは歯を抜くペンチを持っています。
≪聖母子≫
カルロ・クリヴェッリ
クリヴェッリは2020年に開催されたロンドンナショナルギャラリー展の≪聖エミディウスを伴う受胎告知≫以来、かなり来日するようになった印象があります。
また、国立西洋美術館の常設展にも収蔵作品があります。
≪聖家族と聖アンナ≫
ヴィンチェンツォ・カテーナ
聖母子とマリアの母、アンナです。
≪聖母戴冠≫
ルカ・シニョレッリ
天上界で神(真ん中にいる)に見守られながら、イエスが聖母マリアに戴冠する絵です。
このテーマの絵画はとても多いです。
最上位の天使、セラフィム(位が高い天使ほど、人間の形状からは遠ざかり、顔に羽だけになります)や音楽担当天使が配置良く描かれています。